――英語が喋れない英語の先生が大学にいた。
と嘆く女子大生と話をしました。
この春から大学に通い始めたそうですが――
漠然とした期待を裏切られ、かなりショックだったようです。
その先生というのは、もちろん日本人――(笑
なぜ英語が喋れないとわかったのかというと――
その女子大生がいうには――
講義の手伝いをしていた外国人の留学生に、日本語で話しかけていたからなのだそうです。
もちろん、それだけから「英語を喋れない」と判断するのは、ちょっと早計とは思いますが――
でも――
たぶん、講義の一環できかせる発音やアクセントなどが、およそ英語らしくないのでしょうね。
おそらく、英文学とか言語学とかの研究者なのでしょう。
僕が驚いたのは――
そのように嘆く女子大生の話を、かなり新鮮に感じてしまった自分自身についてでした。
「英語が喋れない英語の先生」というのは、日本では決して珍しくなく――
それゆえに、そういう先生のことを、ことさらに取り上げたりはしないものですが――
そういう風潮にすっかり慣れきっていた自分のことを、いささか滑稽に思いましたよ。
たしかに、「英語が喋れない英語の先生」というのは、ショックだ(笑