完璧な極悪人というのは、完璧な善良人を自認する人だろうと思います。
完璧な極悪人を自認する人は、むしろ中途半端な悪人か善人か――もしかしたら、ほぼ完璧な善良人なのかもしれません。
悪事であろうと善行であろうと、いつもそれだけに徹するのは厳しい――
人は、生来、気ままな存在だからです。
では――
悪事に徹するのと善行に徹するのとは、どちらも同じようにツラいのか――
たしかに、素直に考えればそうですが――
僕は、
(違うな)
と感じています。
(善行に徹するほうが少しはラクなんじゃないか)
と――
なぜならば――
善行というのは、なんだかんだいって他者から推奨されるものですし――
それをやっている分には、余計な説明はいりません。
他者にも理解されやすいし――
ということは――
自分では善行だと思ってやり続けていることが、周りの人たちにとっては、実は悪事であって――
それでも、それをひたすらにやり続けようとする人は、まぎれもなく、
――完璧な極悪人
ということになります。
すなわち、
――極悪人とは善良人を自認する人――
ということになります。
いやはや――
恐ろしい結論です。
子供向けの物語には持ち込み難い図式ですね。
まあ、僕は持ち込みますけど――(笑