酒席などで初対面の人と話をするときに気をつけていることは――
なるべく相手に話題を合わせようとするということです。
というのは――
僕が日頃から興味を持っていることというのは、どれも、かなりエキセントリックだろうと思っているからです。
根拠もなしに、そう思っているのではありませんよ。
実際に自分の興味のあることを話題にして、
(しまった――)
と後悔したことが何度もあるからでして――
そういう話題というのは――
あとで思い返してみると――
たいていは小説のテーマになりうるのですよね。
小説のテーマですよ(笑
お喋りの話題に向くわけがありません。
ふつうの人が思いつかないような着想内容が、小説のテーマなのですから――
そのようなわけで――
初対面の人と話をするときは、できるだけ相手に話題を合わせようとするわけですが――
相手の人が、あまり喋りたくなさそうなときには――
この手が使えません。
こちらから話題を提供するしかない――
じゃあ、どうするか――
やっぱり一番に無難な話題は、家族のことですね。
誰だって家族のことには強い関心を持っていますから――
例えば、こちらから自分の家族の話をすれば――相手も自分の家族の話をし始めたりするものです。
そうやって酒席での会話が深まっていく、と――
ただし――
この際の「家族」というのは、
――切っても切れない関係にある家族
のことでして――
親とか兄弟姉妹とか子供などが、そうです。
配偶者はマズい――
配偶者というのは――
関係を切ろうと思えば切れてしまいますからね(苦笑