マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「軽々と」の度合いが強ければ強いほどに

 ――趣味は何ですか?

 と訊かれたら、
「スポーツ観戦です」
 と答えるようにしているのですが――

 正確には、野球やサッカーのTV観戦なのですがね(苦笑
 実際のスタジアムに出かけたりはしていません。
 
 その理由を語りだすと長くなるので――
 今日の『道草日記』では語りませんが――

     *

 やけに軽々と決めましたね。

 サッカーのワールド・カップのことです。
 2010年に南アフリカで開催されます。

 日本代表は、昨日の対ウズベキスタン代表戦に勝ち、最終予選での2位以上を確定させ、4大会連続4度目の本大会出場を決めました。

「やけに軽々と」というのは、2006年のドイツ大会のときにも思ったのですが――
 その「軽々と」の度合いは、今回のほうが、はるかに強いと感じます。

 意外でした。

 ドイツ大会のときの代表チームは、ユースのワールド・カップで準優勝に輝いた「黄金世代」が枢軸を占めていました。
 そのあとに続く世代は少し見劣りがする、とみられていました。

 が――
 フタを開けてみれば――
 ドイツ大会のとき以上に「やけに軽々と」の予選突破です。

 1994年のアメリカ大会や1998年のフランス大会を覚えている年代には、なおさらそう感じられるのでしょう。

 アメリカ大会では本大会への出場を逃し――
 フランス大会では初出場を決めたものの、最終予選の最中には何度か予選突破が絶望視されました。

 この劇的な変化は、日本のサッカーの実力が上がったことによるものと考えたいところですが――
 最大の要因は――
 たぶん本大会への出場国数の拡大です。

 1998年のフランス大会以降、24国が32国に増やされています。
 日本代表は、24国時代には、とうとう一度も出場できなかったのですね――フランス大会が初出場ですから――

 24国時代の最後の大会が、1994年のアメリカ大会でした。
 その前年の1993年、日本代表は最終予選の試合で韓国代表を破りながら、イラク代表と引き分け、痛恨の予選敗退を喫しています。

 いわゆる「ドーハの悲劇」ですね。

 翌朝の新聞には、ピッチ上に呆然と佇む選手たちの姿が、白黒写真で掲載されました。

 あの写真は、ひどく残酷に感じられましたよ。
 勝負の世界の残酷さです。

 その後、32国時代になったあとは――
 もう、どうしようもありません。

 たとえ今回のように、どんなに軽々と予選突破を決めたところで――
 あの残酷さが克服されたようには感じられません。

 むしろ、「軽々と」の度合いが強ければ強いほどに――
 24国時代に残してきた禍根が気になってしまって仕方がないのです。

 過去の記憶の生々しさというのは、実に厄介ですね。
 とくに、それがネガティブな生々しさだと、かなり厄介です。