マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

日本語には敬語があるので

 日本語には敬語があるので――
 対等な会話を楽しむのに一苦労です。

 例えば、居酒屋で初対面の相手と出会ったときに――
 対等な会話を楽しむためには、

 ――お互いにタメ口

 もしくは、

 ――お互いに敬語

 という条件のどちらかを満たさなければなりません。

 この「どちらかを」が悩ましいのですね。

(さて、どちらにしよう?)
 で必ず迷ってしまう――

 もし、日本語に敬語というものがなかったなら――
 即「お互いにタメ口」に決定ですね。

 だから、迷わない――

 英語だと、だいたい、そんな感じです。
 何しろ、英語には敬語というものがありませんので――

 日本語は、そういう意味では、ちょっと損をしていますね。

 もちろん――
 敬語があるがゆえの豊かさというものも、日本語には備わっているのですが――

 ちなみに――
 僕は、「居酒屋で初対面」のような完全にプライベートな状況では、とりあえず「お互いに敬語」を前提に会話を始めます。
 そして、相手が「タメ口」に変えたら、自分も「タメ口」に変える――

 相手が年上だろうが年下だろうが、そうしています。

 年上の相手が「タメ口」に変えたとき、僕も一緒になって「タメ口」に変えると――
 中には「は?」という顔をする人もいるのですが――
 そういう人は、意外に少数派なのですね。

 たいていの人は、全く気にする素振りをみせません。

 また――
 僕が「タメ口」に変えたときに、年下の相手が「タメ口」に変えなければ、すぐに敬語に戻すのですが――
 そういうときにも「へ?」という顔をする人は少数派です。

 やはり、「居酒屋で初対面」のような完全にプライベートな状況では――
 対等でない会話よりも、対等な会話のほうが、喜ばれるようですよ。