数学の問題を考えていると――
自分自身の脳と向き合っている感じがして――
ちょっと面白いのです。
(これ、お前はどう考える?)
(オレなら、こう考えるね)
(いや、違うでしょ、こうでしょ)
(いや、違うって……)
みたいな感じです。
まるで、誰かと対話をしているようなのですね。
こうした感覚は、数学の問題を考えているときに、とくに強く覚えます。
逆に、数学の問題以外――
例えば、日頃の仕事の問題について考えるときには、それほどでもありません。
――数学の定義や公理は、ヒトの脳の作動原理を反映している。
というアイディアをきいたことがあります。
それによれば――
数学の定義や公理は、ヒトの脳の操作マニュアル本の切れ端です。
つまり、数学の定義や公理を駆使して、何か考えを巡らせるとき――
僕らは、ヒトの脳の操作マニュアル本を斜め読みしているのかもしれませんね。