マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

プロの限界

 プロになってわかる限界というものがあります。

 世の中には色々なプロがいますね。
 プロの作家、プロの画家、プロの歌手、プロのスポーツ選手、プロの政治家、プロの整備士――
 挙げたらキリがありません。

 が――
 この場合の「プロ」というのは、決して技量の高さを保証するものではありません。

 プロの平均がトップ・アマに及ばない例は珍しくありません。

 では――
 何がプロたる所以かといいますと――
 心構えです。

 ――オレはプロだ!

 ――アタシはプロ!

 といった気概が――
 プロたる所以の全てです。

 もちろん、技量の高低も、相応に考慮はされますが――
 基本的には、プロの心構えや気概といったものに、スポンサーがつくわけですね。

 つまり、プロか否かの基準は――少なくとも直接的な基準は――換金性に求めることができるでしょう。

 であるならば――
 プロになってわかるプロの限界とは――
 換金性によって失われる何かのことです。

 例えば、プロになる前にはわかっていたはずの、楽しさや面白さや――
 あるいは――
 それに携わることのできるチャンスを得た喜び――

 いずれも、換金しがたいものばかりです。