――他者に依存する快楽
というのがあるように、
――他者に依存される快楽
というのも――
あると思っております。
家族や親族、友人・知人、その他の誰かに甘えられ続けることで覚える快楽のことです。
快楽ですから、依存を伴います。
つまり――
いったん他者に依存される快楽を覚えた人は、その後は、自分に依存する人ばかりを求めていく――
依存されること自体への依存ですね。
もちろん、依存すること自体への依存というのも、あるでしょう。
誰かに甘え続けることで快楽を覚え、やがて、自分を甘えさせてくれる人ばかりを求めていく――
こちらの依存のほうが、むしろ、想像しやすいでしょうね。
が――
どちらも、
――依存への依存
です。
依存することへの依存――
依存されることへの依存――
「依存への依存」というと、何だか酷くネガティブなイメージを伴いますが――
必ずしもネガティブなものではないと考えています。
人の社会性の根源は、意外に依存への依存にあるのかもしれませんよ。
依存することや依存されることに依存するのが人であるから――
人は、たやすく社会を構築し、それを長年にわたって維持していく――世界各地に、何十何百世代にもわたって――
――人は一人では生きられない。
というのも――
依存への依存が、生物種としてのヒトの根本的な本能の1つであるからでしょう。