マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人と人との距離は

 人と人との距離は、心の垣根を低くしますね。
 ここでいう「距離」というのは物理的距離のことです。

 1メートルくらいなら、垣根は高く――
 30センチくらいなら、垣根は低い――

 実態は、もう少し複雑です。

 仮に1メートル以上離れていても、狭い部屋の中なら、心の垣根は低くなります。
 例えば、5メートル四方の部屋に1メートル離れて座っているのだったら、1メートルは遠くは感じないので――

 また、30センチも離れていないのに、やけに遠く感じることはあります。
 それが広い部屋であったり、屋外であったりすれば、30センチの距離はすぐに3メートルになる――

 注目すべきは満員電車でしょう。
 あの場合は、30センチも離れていない――ときには3センチしか離れていない――
 それでも、ずいぶんと遠くに感じるものです。

 満員電車というコンテクストが、心の垣根を高くしているのでしょう。

 心の垣根を低くするには、物理的距離も大切ですが――
 結局のところは、心理的距離が大切であり――
 その心理的距離を縮めるには、コンテクストが決め手になるようです。