マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人が人を理解するには

 人が人を理解するには、時間がかかります。
 とくに、人生経験を積んだ者同士だと、かなりの時間がかかるのです。
 お互いに背負っているものが少なくないからです。

 したがって――
 人は、ある一定の年齢を過ぎたなら、

 ――お互いに理解し合おう。

 という目的で、付き合いを続けていくのは――
 まったく得策ではないのでしょうね。

 だって――
「理解し合おう」と思っているうちに、どんどん時間だけが過ぎていく――

「理解し合おう」とは別の目的で付き合いを続けていくうちに、いつのまにか理解し合っていた――
 というのが理想だろうと思います。

 でも――
 そうは巧く割り切れないのですよね。

 だって――
 10代のときは違っていたのですから――

「理解し合おう」と思って付き合ってみて、すぐに理解できてしまう――
 あるいは、理解できないということがわかってしまう――

 それは――
 たいていは心地良い経験として心の中に留めおかれているのです。

 それを、いつまでも引きずりたくなるのは、人情でしょう。