マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人の心の暗部を

 いわゆる人の心の暗部をみていると――
 時々、その「暗部」が滑稽に感じられるのですよね。

「暗部」というのは、

 ――悪徳

 とか、

 ――頽廃

 とか、

 ――強欲

 とか、

 ――驕慢

 とか、

 ――猥褻

 とか――
 まあ、挙げればキリがないのですが――
 そういうことです。

 人の心の醜い部分と言い換えてもよいでしょう。

 なぜ滑稽かといえば――
 それら「暗部」を、

 ――暗い

 とか、

 ――醜い

 とかと判断をしているのも、しょせんは人の心なわけですよね。

 ということは――
 仮に、その「人」が世界から消滅したら、それら「暗部」も全て消滅するわけですよ。

 その程度のものなわけです。
「人の心の暗部」というものは――

 それを、嫌悪したり、忌避したり、耽溺したりする――
 そんなふうに思ってしまう人の心の存在を「滑稽」だと思うのです。

 リスが自分の尻尾を追いかけ、同じところをグルグルと回っているようなときに――
 その尻尾の毛並みや毛の色を「汚い」と罵っているようなものです。