マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

情念が怨念に変わるとき

 情念が怨念に変わるとき――
 それは、何かが赦せなくなったときでしょう。

 例えば――
 男が女に恋をして、おのれの情念を激しく滾らせて――
 その挙げ句の果てに、その女が自分を袖にしたとすれば――
 そのときに、怨念が首をもたげます。

 すなわち――
 その女を赦せるかどうかが、心理の山肌の分水嶺となる――

 世の中には、情念の滾りやすい人と、そうでない人とがいます。

 概して――
 情念の滾りやすい人は、怨念を抱きやすい――

 が――
 赦しを知るならば、怨念からは自由です。

 赦しを知らないならば――
 怨念の虜になります。

 情念に打ち克ちうる赦しの強さが、唯一、怨念を抑え込むでしょう。