よく、
――頭が真っ白になった。
などといいます。
が――
僕自身は、あまり「頭が真っ白」の状態を経験していません。
「頭が真っ白」というのは――
何か予想外のことが起こって、ビックリして、何も感じられない、何も考えられない――
そういう状態だと思っています。
これとよく似た状態に、
――頭が透明になっていく。
というのがあるように、僕には思えます。
この状態は、とくにビックリしているわけでもなく、また、何も感じられないわけでもなく、何も考えられないわけではないのですが――
感じられることや考えられることが、どれも無意味で面白くないものに思える――
そういう状態のことです。
つまり、感じたことや考えたことが、どんどん透明になっていく感覚ですね。
僕は、「頭が透明」の状態なら、けっこう経験しています。
「頭が真っ白」というのとは、少し違う感覚なのですよね。