マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

先日の京都大学の入学試験で

 先日の京都大学の入学試験で不正を働いた受験生がいたようですね。
 会場に携帯電話を持ち込んで、問題をネットの掲示板に掲載し、広く解答を募っていたそうです。

(よくもまあ、そんなことまでやるもんだ)
 と呆れましたが――
 携帯電話からのネット利用が当たり前になった今、

 ――希望の大学にうかるためには何でもやる。

 と意気込む受験生にとって、これくらいの不正は朝飯前に違いありません。

 もちろん、不正は許されるべきではありませんが――
 今の入学試験の仕組みが、こうした不正に実効性を与えてしまっている点は見逃せません。

 携帯電話のネット利用に長けている人が、試験時間中に試験監督者の目を盗んで広く解答を呼びかけることで、好成績をおさめうる――
 そうした可能性を排除できないのが、今の入学試験の仕組みなのですね。

 では、どうしたらいいのか――
 今の入学試験の仕組みを変えればいいのか――

 そう簡単には、いかないでしょう。

 今の入学試験が採用しているのは、基本的には筆答試問ですよね。
 出題者が問題を書面で示し、それに受験生が一斉に記載するという手法です。

 この手法は、効率性という点では、大変に優れています。

 かりに、筆答試問をやめ、口答試問に切り換えれば、どうでしょうか。

 口答試問では、出題者が受験生と面談をして学力を問います。
 不正は、かなりの確度で根絶できるでしょう。

 が――
 効率は恐ろしく悪くなる――
 1000人の合格者を選抜するのに1000人の出題者を配置する、などということになりかねない――

 では、どうしたらいいのか――

 難しいですね。

 結局のところ、

 ――入学試験に重い役割を担わせない。

 というのが唯一の解決法でしょう。

 とりあえず、効率を重視し、筆答試問をやる――
 その試問は競争試験にはせず、資格試験にする――
 その資格試験で一定の水準をクリアした者は全て入学を許す――

 その代わりに――
 進級基準は厳しくする――
 進級試験は口頭試問で、しかも競争試験にする――

 こうした仕組みを確立するには、大学に教育専従の職員を多く配置する必要が出てきます。

 とはいえ――
 研究専従の職員を減らすと、この国の学問の質が危機に瀕するかもしれません。

 ですから――
 教育専従の職員を純増させる――そのために、職員一人当たりの人件費を減らす――

 僕は、教育専従の職員は非常勤でいいのではないかと考えています。

 他に職を持ちながら、大学に通う――週1日とか2日とか――
 そして、学生たちの講義・演習・実習に携わる――もちろん、進級試験にも携わる――
 その過程で、学生たちに様々なことを伝えていく――学問のこと、社会のこと、人生のこと――
 任期は自由――1年でも5年でも50年でも――

 そのような教育専従の職員なら、結構なり手はいるように感じます。
 その大学の卒業生を中心に募集をかければ、案外、簡単に集まるのではないでしょうか。

 まあ――
 今のところは――
 夢物語みたいな構想であることは、認めますがね(笑