マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

美談は不意打ち、醜聞は予定調和

 予期される美談は受け入れ難いと感じます。

 ――今から、いい話をしますよ。

 といわれて「いい話」をきかされると――
 どうにも釈然としません。

 思わず舌を打ちたくなる――

 美談は不意打ちに限ります。

 それとなく話をきいているうちに、「いい話」になる――
 それだったら、自然と清々しい気分になれるものです。

 逆に――
 醜聞は予期されるほうが受け入れ易いと感じます。

 ――くるぞ、くるぞ、くるぞ……きた~!

 と、きわめて予定調和的にきかされると――
 必要以上の嫌悪感を抱かずに済む――

 ひょっとすると、

 ――どこまでが本当なんだか……。

 と冷静な批判精神を動員することができるかもしれない――

 美談は不意打ち、醜聞は予定調和――に限ります。