マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

空間図形の比喩から

 人が安定して暮らしていくには――
 何らかのコミュニティに所属していることが必要でしょう。

「コミュニティ」というのは、いかめしく言い換えれば、

 ――共同体

 ですし、やわらかく言い換えれば、

 ――仲間内

 です。

 家庭や職場もコミュニティといってよいと思いますが――
 通常、ほとんどの人は、これらのうち両方ないしどちらか片方に所属しております。

 ですから、

 ――何らかのコミュニティに所属していることが必要だ。

 というのは――
 結局のところは、

 ――家庭や職場以外のコミュニティにも所属していることが必要だ。

 ということになります。

 人は、所属しているコミュニティの数が多ければ多いほどに、暮らしが安定してくるでしょう。

 家庭、職場、それら以外の何か1つ――
 合計3つのコミュニティに所属していればよいのだろうと思います。

 この「3つ」という点に何か重要な意味が潜んでいるに違いないと思うのですが――
 ちょっと今の僕には、よくわかりません。

 空間図形の比喩から、漠然と思い当たる節が感じとれる程度です。

 すなわち――
 各コミュニティを空間内の立体とみなし、各立体の位置を代表させうる点(例えば、立体の重心など)を考えたときに――
 3つのコミュニティの位置がわかって始めて、人は、空間の3次元性を認識しうる――
 といった具合です。

 コミュニティが1つしかないと、そのコミュニティの位置を中心にして、全方位的に座標軸を引いてしまう――
 引ける座標軸は1本だけであり、それでは空間を1次元的にしか認識できない――
 しかも、よほど注意をしないと、座標軸を引くたびに、軸の方向がぶれてしまう――

 コミュニティが2つしかないと、それら2つのコミュニティの位置を中心にして、2本の座標軸が引けるが――
 引ける座標軸は2本だけであり、それでは空間を2次元的にしか認識できない――
 しかも、それなりに注意をしないと、2本の座標軸がほぼ平行になってしまい、事実上、座標軸が1本と変わらなくなってしまう――