日々の暮らしというものは――
たいていの人にとっては、つらく苦しいもので――
にもかかわらず――
それを前向きに頑張っていくには、何らかのよりどころが必要です。
その「よりどころ」というのは、たぶん人によって、まちまちでして――
ある人にとっては、
――会社の給料
であったり――
ある人にとっては、
――家族の笑顔
であったり――
さらに別のある人にとっては、
――学校の成績
であったり、
――将来の希望
であったりするわけです。
あるいは、もっとささやかなものを「よりどころ」にしている人も、あるかもしれません。
例えば、
――夕日の景色
とか、
――道端の草花
とか――
何でもいいと思うのですよ――「よりどころ」になりさえすれば、何でもいい――
逆にいうと――
もし、「よりどころ」が一つもないようだと――
たいていの人は、日々の暮らしの辛苦に押しつぶされてしまう――
「よりどころ」というのは、頭の上のほうから覆いかぶさってくる日常生活の圧迫感や閉塞感を支えているのです。
つまり――
それは「つっかえ棒」――日々の暮らしの息苦しさや単調さに悩む人が、斜め前方あたりに、ふと片手を差し出した先で掴む「つっかえ棒」――
つっかえ棒の近くなら――
日常生活の圧迫感や閉塞感に覆いかぶさられていても――
すぐには押しつぶされなくて済みそうですからね。