人間のやることというのは――
どこか不完全なもので――
一見、完全なようでも――
必ず、どこかに至らない点が潜んでいるものです。
そのような、
――人為の不完全性
を、どれくらい正確に把握し、懐深く受容しているかで――
どれくらい人間に対して寛容で、親切になれるのかが、決まってくると思います。
この「人為の不完全性」をよく知らず、あるいは、よく知っていても、これを受け入れようとしない人は――
自分の周囲の人たちを躊躇なく怒鳴り散らしたり、冷淡な対応を採り続けていても平気であったりします。
人間の優しさは――
人間の至らなさを踏まえたときに、自然と滲み出てくるものでしょう。