人のやることは――
完璧を求めれば求めるほど、完璧から遠ざかる傾向にあるようで――
むしろ――
さらっと1回で試みたときにこそ完璧が成し遂げられる――
といった傾向にあるようです。
つまり――
無意識の完全――
意識の不完全――
そういう原理が、この自然界には存在するのではないか、と――
意識というものは――
自然界に介入しようとする人間の意思ないし意志の根源であり――
たいていは、自然界の調和を乱す方向に作用します。
一方――
人間が無意識に動くとき、その人間は自然界に組み込まれていて――
それゆえに、自然界の調和を乱す恐れがない――
そのときにこそ、その人間にとって、自分の成し遂げたことが、
――完璧
だと感じられる――
そういう概念が「完璧」ではないか――
……
……
ちょっと、うまくいえませんが――
とにかく――
意識を持つということは――
自然界の調和からハミ出ていくということである――
あるいは――
自然界の調和から摘(つま)み出されるということである――
そんな気がしてなりません。
もちろん――
日常を当たり前に生きていく以上、人間は意識を持たないわけにはいきませんよね。
ですから――
人間は、すべからく自然界の調和からハミ出ていく――摘み出される――
そういう存在であるように思います。