マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

物語の禁断症状

 良質の物語には依存性があって――

 物語の受け手は――
 いつまでも、その物語世界に浸っていたいと思うものです。

 ですから――
 物語の理想形は、

 ――果てしなくて続く物語

 であるといわれたりするのですが――
 一方で、

 ――結末のない物語は物語ではない。

 ともいわれます。

 ということは――

 真に良質の物語とは――
 物語の受け手を依存させ――
 その上で、物語に結末をつけ――
 その結果、物語の受け手に禁断症状を覚えさせる――
 そういうものであるということになります。

 禁断症状――

 たしかに――
 そうであるに違いありません。

 熱烈に支持された物語は、必ずや続編が生み出される――

 それは――
 物語の受け手の禁断症状を鎮める処方といえましょう。