作家には、物語を作成する能力の他に、
――物語を管理する能力
が必要だといわれます。
「物語を管理する能力」とは、自分の作った物語が、効率よく受け手に伝わるように工夫をする能力です。
例えば、クライマックスの場面をしっかりと設定し、その場面にむかって話を盛り上げていく能力――
余分な場面や冗長な展開を削ぎ落としていく能力――
管理の対象は、必ずしも自分が作った物語ではありません。
他人の作った物語でもありえます。
むしろ、他人の物語のほうが、管理は容易でしょう。
冷徹な目で冷静に分析できるから――
物語を管理する能力は、物語を作成する能力とは別だといわれます。
たいていの作家は、どちらかに秀でているそうです。
両方に秀でている人は希である、と――
そうかもしれません。