あうんの呼吸というものが、もしあるのだとしたら――
それは――
どちらかが、もう一方よりも強く意識的になって合わせているからではないか、と――
思っています。
どちらも等しく意識的に合わせあっているということは――
たぶん、ないのではないか、と――
もちろん――
合わせられている方も、まったく無頓着に合わせてもらっている、ということはないでしょうが――
でも――
合わせている方よりは、いくらか無頓着に合わせてもらっている――
そういう不均衡が――
あうんの呼吸にはあると思っています。
何がいいたいかといいますと――
完全に対等な人間関係においては――
あうんの呼吸は成立しないのではないか――少なくとも、成立しにくいのではないか――
ということです。
どちらかが主導権を握っている関係――
どちらかが交流をより強く望んでいる関係――
そういう関係において初めて――
あうんの呼吸は成立するような気がします。