ふつうの人と人との関係では、相手の出方がわからないために――
相手が自分と、
――仲良くしたい。
と思っている場合と、
――仲良くしたくない。
と思っている場合と、
――どちらでもない。
と思っている場合との少なくとも3通りの場合について――
自分が、どのような出方をすればよいのかを考える必要がある――
と、きのう、のべました。
つまり――
相手の出方が3通りであり――
自分の出方も3通りであるから――
合わせて、
3 × 3 = 9 通り
の場合を考えることになります。
これらのうち、
――親孝行(おやこうこう)
の段階(だんかい)の親子関係を十分にわかっている人は――
すでに、相手が自分と、
――仲良くしたい。
と思っている場合における自分の3通りの出方については、十分にわかっているわけですから――
あとは、残りの6通りの出方について――つまり、相手が自分と、
――仲良くしたくない。
と思っている場合における自分の3通りの出方と、
――どちらでもない。
と思っている場合における自分の3通りの出方とについて、十分にわかろうとすればよいことになります。
では――
相手が自分と、
――仲良くしたくない。
と思っている場合に――
人と人との関係は、どのような在(あ)り方が望ましいのでしょうか。
……
……
このときには――
先ほども、のべたとおり――
自分が相手と、
――仲良くしたい。
と思っている場合と、
――仲良くしたくない。
と思っている場合と、
――どちらでもない。
と思っている場合との3通りの場合があります。
相手と、
――仲良くしたくない。
と思っている場合は、かんたんですね。
相手も自分も、
――仲良くしたくない。
と思っているわけですから――
ムリに仲良くする必要はありません。
問題なのは――
相手は自分と、
――仲良くしたくない。
と思っているのに――
自分は相手と、
――仲良くしたい。
と思っている場合です。
この場合は――
相手が自分と、
――仲良くしたい。
と思うようになるか、せめて、
――どちらでもない。
と思うようになるのを気長に待つことです。
自分は相手と、
――仲良くしたい。
と思っているわけですから――
気長に待つのは、かなり、むずかしいことなのですが――
それでも――
この場合は、待つこと以外にできることはありません。
ひたすら、じっとガマンをすることです。
ムリに仲良くしようとすると――
すっかり、きらわれてしまいます。
では――
相手が自分と、
――仲良くしたくない。
と思っているのに――
自分は相手と、
――どちらでもない。
と思っている場合は、どうでしょうか。
この場合は――
相手が、何らかのことをきっかけとして、自分と、
――仲良くしたい。
と思うようにならないかどうか、あるいは、
――どちらでもない。
と思うようにならないかどうかに気をつけながら――
やはり気長に待つことです。
自分は相手と、
――どちらでもない。
と思っているわけですから、
――仲良くしたい。
と思っているときにくらべたら――
気長に待つのは、そんなに、むずかしいことではありません。
『10 歳の頃の貴方へ――』