マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「矛盾でない!」と言い張り続けることほど

 人間の考えることは、本来、矛盾だらけであって――
 にもかかわらず、考える当人は、それら矛盾に、なかなか気づけない――
 という現実があります。

 どんなに高名な哲学者であっても――
 そこは同じようです。

 であるならば――
 さっさと矛盾を認めるような態度に切り替えるのがよくて――

 つまり、
(どうせ僕の考えてることのどっかには矛盾があるさ~)
 と開き直る――

 開き直って――
 自分の矛盾を探し出し――

 探し出したら――
 それら矛盾の一つひとつと向き合って――
 各々の矛盾の示唆するところを推理する――

 なぜ自分はその矛盾に気づかなかったのか――
 そもそも、なぜ自分の考えには、そのような矛盾が紛れ込んでいたのか――

 そのような自省の覚悟が、ものを考えるときには必要だろうと思うのです。

 いいかえると――
 誰かに自分の矛盾を指摘されたときに、

 ――たしかに、それは矛盾ですね~。

 と笑って受け答えできるような――
 そのための準備が望ましいでしょう。

 さもないと――
 以後の人生において、容易に立ち直れないくらいの挫折感に苛まれることに、なるかもしれません。

 厳に存在する矛盾を「矛盾でない!」と言い張り続けることほど――
 気力を空費させ、感性を摩滅させることは、ないからです。