マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

アトランタのときでは、想像もできなかった怒り方

 ようやく仙台も梅雨が明けました。

(これでスッキリ~)
 と思っていたら――

 今朝は、もっとスッキリするニュースが飛び込んできました。

 ロンドン・オリンピックのサッカー男子日本代表チームが、スペイン代表チームに1-0で勝利を収めた、とのこと――

(へ~!)
 と思いました。

 スペインは金メダル候補の筆頭です。
 それに対し、日本は、前回の北京オリンピックで予選リーグ3連敗――

(よくて引き分けだろう)
 と思っていましたが――
 まさか勝ってしまうとは――

 さっそくメディアが「グラスゴーの奇跡」と歓呼しております。
 グラスゴーは、試合会場の地名です。

 こうなると――
 1996年のアトランタ・オリンピックが思い出されますね。

 あのとき、日本はブラジルを相手に1-0で勝利を収めたのでした。
 以来、「マイアミの奇跡」という言葉が使われています。

 当時、僕は大学生でした。
 TV中継を見終えたあと、同級生の友人と電話で話をし、「すげかった~」と余韻に浸っていた記憶があります。
 まだ携帯電話ではなく、固定電話でした。

「これで決勝トーナメントは間違いないでしょう」
「そりゃそうだよ。ブラジルに勝って決勝トーナメントにいけないってことがあるかよ」

 そんな話をした記憶もあります。

 まったく真剣みのない与太話でした。

 結果は――
 本当に予選リーグ敗退――

 ブラジルに勝った日本は、そのあと、さらに1勝を重ねて2勝1敗とするも――
 得失点差で及ばず、決勝トーナメント進出を逃したのでした。

(今回も同じなんじゃないの?)
 と意地悪く思う人も、少なくはないでしょう。

 僕も思わないではありません。

 が――
 当時と今とで違うのは――
 日本のサッカー界が、国の内外で格段に注目を集めている点です。

 何といっても、女子代表チーム(なでしこジャパン)の活躍が大きいでしょう。
 去年のワールドカップを制覇した女子代表チームは、今回のオリンピックでは紛れもなく金メダル候補です。
 中心選手の一人・澤穂希選手は、去年の世界最優秀選手に選ばれています。

 そんな日本サッカー界の擁する男子代表チームですから――
 仮に、今回のロンドンで、アトランタのときと同じように、決勝トーナメント進出を逃したとしても――
 それはそれで、大きなニュースになるでしょう。

 アトランタのときは、少なくとも僕の記憶では、大きなニュースにはなりませんでした。

(やっぱりね~)
 というのが、多くのファンの見方であったと思います。

(まあ、あのブラジルに勝ったんだから、よしとしようよ)
 みたいな“ぬるい雰囲気”でした。

 今回は、そんなふうに思うファンは、少ないと思います。

 むしろ、烈火のごとく怒り出すファンがいるでしょう。
(せっかくスペインに勝っておきながら、何をやってるんだ! 少しは女子をみならえ!)
 と――

 アトランタのときでは、想像もできなかった怒り方です。