マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

見事に覆されるために仮説を立てる

 科学(自然科学)の醍醐味は、

 ――予想を裏切られることにある。

 といってもよいでしょう。

 科学の営みは――
 これまでに得られている知見を基に仮説を立て、その仮説の妥当性を、実験や観察の結果によって検証する――
 というものです。

 その仮説は――
 一見もっともらしく、かつ常識的で、誰もが、

 ――うん、そうだよね。

 と納得できるような仮説がよいのです。

 そして――
 そうした仮説が、実験や観察の結果、見事に覆されるというのが――
 科学の醍醐味なのです。

 ――ええ? うそ~!

 と――

 見事に覆されるために仮説を立てるというのは――
 何とも逆説的かつ自虐的ではありますが――
 その覆され方が“きれいサッパリ”となるような仮説を立てるというのは――
 以外に難しいものです。

 それまでに得られている科学的知見を、バランスよく吸収し、秩序だって整理しておく必要があるからです。