大地に立って大空を見上げると――
自分の存在の小ささを十分に実感することができます。
大地は――
つまりは、地球という惑星の表面であり――
それは――
もし、宇宙を「大海」に喩えるならば、「大海の底」にあたるのですが――
この「底」は、「大海」の広さを考えれば、恐ろしく狭い「底」であり――
もし、惑星の大きさを宇宙の広さと比べて無視できるくらいに小さいとみなすならば――
その「底」は、位置だけが意味をなし、広さは意味をなさない、ということになります。
つまり――
僕らが立つ大地というところは――
そのような些細な場所――広い、広い「大海」の、「底なしの大海」の「底」――なのですね。
――底なしの大海の底
ですから――
この世界に存在しないも同然の場所です。
それが僕らの知る大地というところを――
その大地を――
僕らは、とてつもなく広大に感じている――
どこまでも広がっていく地平の果てしなさを感じている――
それだけで――
自分の存在の小ささを実感するのは十分なのです。