マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

もし「理想の本」というものが

 読者に何も考えさせない本と十分に考えさせる本とがあったなら――
 もちろん、「考えさせる本」のほうが良いに決まっています。
 
 が――
 読んでいる最中に「考えさせる」というのは、よくないですね。
 
 ――この文章、どういう意味なんだろう?
 
 とか、
 
 ――著者は何を意図しているのだろう?
 
 とか――
 それは、たんに文章が洗練されていない、あるいは、構成の意図が不明確である、ということですから――
 
 もし「理想の本」というものがあるのだとしたら――
 
 それは――
 読んでいる最中は何も考えさせずに――
 読み終えた後ではじっくり考えさせる――
 そういう本だろうと思います。