人が何らかの活動を行うときに――
遅かれ早かれ、深刻な矛盾に行き当たります。
それは――
躍動性を重んじれば、確実性が軽んじられ――
確実性を重んじれば、躍動性が軽んじられ――
という矛盾です。
この「矛盾」に打ち克つ術は――
ちょっとやそっとでは会得できないように思います。
つまり、
――よほどの才人でない限り、「自分の活動を躍動的かつ確実的に遂行する」ということは期待できない。
ということです。
ここでいう「躍動性」とは、人の自然な心の動きにしたがっている様子――自由闊達、能動的かつ主体的であるさま――を指します。
また、「確実性」とは、所与の目的を確かに達成してみせる様子――当初の目標に向かって着実に迫っていくさま――を指します。
当然ながら――
躍動的でない活動は、惰性や強制に過ぎず――
確実的でない活動は、無為や徒労と大差ない――
そういってよいでしょう。
無為や徒労を避け、惰性や強制に甘んじるか――
惰性や強制を排し、無為や徒労を受け入れるか――
難しい判断を迫られます。
……
……
僕なら――
無為や徒労を受け入れます。
……
……
だって――
惰性や強制に甘んじていたら、生きがいを感じられない――
生きている喜びを見出せないではありませんか――