マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

挑戦上手な人、挑戦下手な人

 挑戦上手な人というのは――
 成功した場合に得られる利益の大きさや小ささをみるのではなく――
 失敗した場合に被る損害の大きさや小ささをみるものだ、と――
 僕は思っています。
 
 挑戦上手の人は――
 得られる利益が大きいからといって、うかつに挑戦したりはしないのです。
 
 失敗した場合の損害が大きければ、失敗すると再起不能になってしまうからです。
 
 逆に――
 得られる利益が小さいからといって、すぐに侮って挑戦をやめたりもしません。
 
 というのは――
 失敗した場合の損害が小さければ、失敗しても大した問題ではないし――
 そもそも、「利益が小さい」という見積もりのほうが実は間違っていて、あとで莫大な利益が転がり込んでくるかもしれない――
 と考えるからです。
 
 さらにいうならば――
 挑戦上手の人は――
 大きな利益を獲り損ねることを「損害」とはみなしません。
 
 ――獲れたかもしれない莫大な利益を取り損ねること
 
 と、
 
 ――被る必然の全くなかった甚大な損害を被ること
 
 との違いを――
 よくわかっています。
 
 ですから――
 挑戦上手の人が、一見、無謀な挑戦をしているように見える時でも――
 実は、きわめて冷静に事態を認識していることが、ほとんどなのです。
 
 ――なぁに、もし、これで失敗しても、大した問題ではないのだよ。ただ、すごく良い思いをし損ねるだけなのだよ。
 
 と――
 
 挑戦下手の人は――
 そこがわかりません。
 
 挑戦上手の人をみて、自分とは精神構造が全く違う人なのだと誤解をしてしまったり――
 逆に、挑戦上手の人の真似をして、甚大な損害を被り、再起不能になってしまったり――