挑戦上手な人というのは――
成功した場合に得られる利益の大きさや小ささをみるのではなく――
失敗した場合に被る損害の大きさや小ささをみるものだ、と――
僕は思っています。
挑戦上手の人は――
得られる利益が大きいからといって、うかつに挑戦したりはしないのです。
失敗した場合の損害が大きければ、失敗すると再起不能になってしまうからです。
逆に――
得られる利益が小さいからといって、すぐに侮って挑戦をやめたりもしません。
というのは――
失敗した場合の損害が小さければ、失敗しても大した問題ではないし――
そもそも、「利益が小さい」という見積もりのほうが実は間違っていて、あとで莫大な利益が転がり込んでくるかもしれない――
と考えるからです。
さらにいうならば――
挑戦上手の人は――
大きな利益を獲り損ねることを「損害」とはみなしません。
――獲れたかもしれない莫大な利益を取り損ねること
と、
――被る必然の全くなかった甚大な損害を被ること
との違いを――
よくわかっています。
ですから――
挑戦上手の人が、一見、無謀な挑戦をしているように見える時でも――
実は、きわめて冷静に事態を認識していることが、ほとんどなのです。
――なぁに、もし、これで失敗しても、大した問題ではないのだよ。ただ、すごく良い思いをし損ねるだけなのだよ。
と――
挑戦下手の人は――
そこがわかりません。
挑戦上手の人をみて、自分とは精神構造が全く違う人なのだと誤解をしてしまったり――
逆に、挑戦上手の人の真似をして、甚大な損害を被り、再起不能になってしまったり――