実際に始めてみないと絶対にわからないことというのは、たくさんありまして――
例えば――
自分は英会話ができないと思って、実際に英会話教室に通い始めたけれど――
一向に英語が喋れるようにはならない――
――なんか変だな……。
と思って、それでも通い続けていたら――
あるとき、ふと気がついた――
――自分は英会話ができないのではなくて、会話ができないのだ。
と――
そんな話を、しばしば耳にします。
人は自分が直面している問題のごく一部しか目に入れようとしないものです。
問題の全体を捉えようと、腹をすえることが、なかなかできない――
それは人情です。
だって――
その問題が、自分の想像よりも遥かに大きかったりしたら、ショックですから――
それでも――
その問題の解決に向けて実際に取り組みを始めたら――
問題の全体が、自然と目に入ってきますね。
そこには――
ある種の“強制力”のようなものが働きます。
――本来、目を向けるべきものに、きちんと目を向けさせる力
とでもいいましょうか。
この力は、あくまで“強制力”ですから――
普通の人にとっては、決して心地よいものではないのですが――
時に――
これを、
――心地よい。
と感じる人がいて――
そういう人には――
たぶん天賦の才が備わっているのです。
――行動力のある人
――意志の強い人
――柔軟な人
――現実対応に優れた人
など、呼び名は様々ですが……。