ある健康食品の広告を読んでいて、
(う~む)
と、思わず唸ってしまいました。
そこには、
――あなたの体が加齢とともに調子を崩すのは、“原因物質”が体に溜まるからに他なりません。
と書いてある――
(ほう! 面白い! その“原因物質”って何なんだろう?)
と思って先へ読み進めていくと――
――私たちは、その“原因物質”が体に溜まらないようにする新製品を開発しました!
と書いてある――
そして、その「新製品」の成分や効能が列挙されていく――
ところが――
その「新製品」がターゲットにしているはずの“原因物質”については、一向に説明がされないのですね。
結局、その広告では“原因物質”の正体について、何ら具体的な言及がありませんでした。
僕が思わず唸ってしまったのは――
こんな広告であっても、たぶん広告として成り立ってしまっている――
という事実です。
僕は、この広告が宣伝していた「新製品」に限らず、いわゆる健康食品やサプリメントの類いは一切、口にしないと決めておりますが――
たぶん、この広告をみて、
――試してみたい!
と思う人は少なくはないはずです。
なぜならば――
加齢に伴って体調を崩しやすくする“原因物質”が存在し、その“原因物質”を取り除くことができると信じられるのならば――
誰だって、
――取り除きたい!
と思うに決まっているからです。
それは、人情でしょう。
僕は、その「“原因物質”が医学的・生物学的に明記されていない」という重大な欠陥に気づいたので、「人情」から自由になれましたが――
もし、気づかなかったら、やっぱり「試してみたい!」と思っていたことでしょう。
加齢や体調不良への不安をピンポイントで突いてくる広告は、
(恐ろしい)
と感じます。