マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「北へ帰る」の不思議

 ふと、
 (「勝利」の対義語は何だろう?)
 と思い立ち――
 ネットで調べてみたところ、

 ――敗北

 でした。

(たしかに、そうだよな~)
 と納得したのですが――
 次の瞬間、
(なんで「敗」のあとは「北」なんだ?)
 と思いました。

「勝利」の「利」は、「利害」の「利」でしょうから、
(「敗害」でも、よさそうなものだ)
 と思ったのですね。

(もしかして、「北」に「害」と似たような意味があるのかな)
 と思って調べてみたところ――
 そういう意味はなく――

「北」には、

 ――逃げる。

 という意味があるのだそうです。

 つまり、「敗北」とは、

 ――敗れて逃げること

 なのですね。

 ちなみに、「利」には、

 ――自分の都合が通ること

 といった意味があるそうで――
「勝利」とは、

 ――勝って自分の都合が通ること

 なのですね。

 たしかに――
 逃げてしまっては、自分の都合が通ることはありませんね。

 だから、「勝利」の対義語は「敗北」なのだそうです。

(なるほど!)
 と合点がいきました。

 それにしても――

 ……

 ……

「北」に「逃げる」という意味があるとは――

 有名な演歌の一節、

 ――北へ帰る人の群れは……。

 にも――
 不思議な感慨が湧きます。