同じことの繰り返しは――
その繰り返しに終わりがある限り――
退屈なものですが――
もしも、終わりがないとなると――
途端、それは魅惑的なものになります。
典型は――
数学の無限級数です。
無限級数とは、簡単にいうと、
――何かを無限に足していくこと
です。
以下は、無限級数の話ではありませんが――
無限的な話としてご紹介しますと――
*
1 を 3 で割ると、
0.333……
である。
これに 3 をかけると、
0.999……
である。
よって、
1 = 0.999…… (A)
である。
*
試みに――
ほぼ同じ内容の話を、有限的な話にすりかえると(有効数字3桁の計算として処理すると)――
*
1 を 3 で割ると、
0.3333……
であるので、4桁目で四捨五入をすると、
0.3333…… = 0.333
である。
一方、1 を 3 で割ったものに 3 をかけると、
0.3333…… × 3
= 0.9999……
であるので、4桁目で四捨五入をすると、
0.9999…… = 1.00
である。
よって、
1 = 1.00 (B)
である。
*
最後の結論を比べてみましょう。
(A)と(B)と――
どちらが魅惑的でしょうか。
僕には、断然、(A)のほうが魅惑的です。