真夏の日差しの中で満員電車に乗っていて――
2人がけの座席を見ていると――
少しだけ心配になります。
(汗かいてる体の大きな2人が並ばないといいけどなぁ)
と――
並ぶ2人も気の毒ですが――
その様子を視界の隅に入れざるを得ない近くの人たちも、気の毒です。
ただでさえ暑苦しいのに、さらに暑苦しく感じてしまいますから……(苦笑
で――
きょう――
その2人がけの座席に――
体格のよい中年の男性が1人、ハンカチで汗を拭いながら座っていて――
その隣の空席に、別の中年の男性が、玉の汗を額に浮かべながら座ろうとしました。
(うわ~!)
と思わず目を覆いたくなったのですが――
その中年の男性――
何か察するところがあったのか――
その空席に座るのをやめ、目の前の吊革を握って立ちつづけました。
ほどなく――
10代くらいの小柄な女性が、こざっぱりとした身なりでやってきて――
その空席に、ちょこんと腰かけました。
――ふう~。
と――
近くの人たちが一斉に安堵の吐息をもらしたような気がしました(笑