人生の喜びと悲しみとは、
――紙一重
と感じます。
何らかの条件が、ほんの少し変わっただけで――
喜び事が悲しみ事に変わったり、悲しみ事が喜び事に変わったりする、と――
しばしば、
――人生は一喜一憂するものではない。
といわれますが――
(それは、その通りだろう)
と思います。
人生では、様々な出来事が連なって起こります。
その連なりは――
一つの出来事が起こり終わらないうちに、次の出来事が起こり始める、というように――
一定のまとまりのある連なりであり――
それら連なりを成す出来事の一つひとつは――
それが喜び事なのか、悲しみ事なのか、とっさには判断できないくらいに複雑で曖昧です。
よって――
人生で何か出来事が起こる度に一喜一憂をしていたのでは――
冗談でなく本当に――
身も心も保たなくなってしまうのですね。
では――
人は、喜んだり悲しんだりしてはいけないのか――
……
……
そんなことはありません。
人生の出来事の連なりには、必ず途切れがあります。
その連なりの途切れるところを的確に見定めて――
喜んだり悲しんだりすれば良い――
人には――
喜ぶにふさわしい時期、悲しむにふさわしい時期――
があります。