皮肉というものは――
言葉にとどまっていれば、可愛げも感じられますが――
行動にまでいってしまうと、見苦しく感じられるものですね。
つい本音が出かかって――
慌てて社交辞令で包んだ結果が――
いわゆる、
――皮肉
でしょう。
皮肉とは、本来、意図せずに無意識に口から飛び出てしまうものです。
が――
行動にまで皮肉を込めるとなると――
無意識ということは、ちょっと考えにくいでしょう。
そうした行動には――
明確な意図が感じとれます。
周囲の人たちには――
その“明確な意図”を発信してしまっている身体それ自体が――
ひどく見苦しく感じられるのですね。
当然ながら――
明確な意図が感じとれるのなら――
たとえ言葉の皮肉であっても――
ひどく聞き苦しく感じられるのは、同じことです。
不快な皮肉とそうでもない皮肉との境界は――
明確な意図の発信の有無です。