マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“有能なフリ”と“有能にみえる”と

 若い人たちの中には――
 有能なフリをしていて実際には無能な人――
 というのがいて――
 こういう人と実際に有能な人とは確実に区別をつけておく必要がある――
 という話をききました。

 たしかに、その通りですね。

 有能なフリをしている人と有能な人とを混同していては――
 大変なことになるでしょう。

 が――
 こうした区別よりも、もっと重要な区別がある、と――
 僕は思っています。

 それは、

  有能なフリをしていて実際には無能な人

 と、

  有能にみえていて実際には無能な人

 との区別です。

 これら2種類は、よく似ていますが――
 内実は全く違っているかもしれません。

 無能なのに有能なフリをしているということは――
 自分が無能であることに気づきながらも周囲を欺こうとしている――
 ということです。

 能力に欠けているという点だけでなく、道義心に欠けているという点で――
 問題は深刻です。

 一方――
 無能なのに有能にみえているということは――
 これから有能になっていく潜在性が備わっているかもしれない――
 ということです。
 
 こういう人は、些細な契機――例えば、教育――を経て、様変わりすることがあります。

 というのは――
 これまでに、他の場面や役割で有能であった経験があり――
 今の場面や役割で無能なのは、たんに不慣れであるからにすぎない――
 という可能性があるからです。

 有能なフリをしている人から有能にみえている人を――
 確実に見分けることが必要でしょう。