マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「なぜウマくいかないのか」は間違っている

 以下は、人づてに聞いた話です。

 ――新規事業計画は、なぜウマくいかないのか。

 という問いを立てたら、

 ――それは、問いの立て方が間違っている。

 と指摘されました。

 新規事業計画は、「新規」なのだから、先例がなく、常に手さぐり状態である――
 そして、「事業計画」なのだから、たいていは目標と期限とが決まっていて、ウマくいかなければ、ウマくいかなかったことが、すぐにわかってしまう――

 それゆえに――
 新規事業計画は、ウマくいかないのが普通なのだ、と――

 普通のことに着目をしても意味がない――
 ということであれば――

 では――
 次のように修正してみてはどうでしょうか。

 すなわち、

 ――新規事業計画は、なぜウマくいくのか。

 が――
 この問いも、僕にいわせれば、問いの立て方を間違えています。

 僕が監修を担当させて頂いた書籍『失敗が教えてくれること』(竹内薫著、総合法令出版、2014年)が言及しているように、

 ――成功から学ぶことは少ない。

 のです。

 よって――
 仮に、「新規事業計画は、なぜウマくいくのか」の問いに精確な答えを出したところで――
 その答えから学びとれることは、

 ――ほとんどない。

 といってよいでしょう――せいぜい「幸運を確実に活かすことができれば、ウマくいく」といったくらいのことです。

 では、どうするか――どのように問いを立てたらよいのか――

 僕の考えは、こうです。

 ――新規事業計画は、なぜ諦められるのか。

 と問う――

 新規事業計画がウマくいかないのは普通のこととして――
 それがウマくいかなかったときに、なぜ次の新規事業計画に移れないのか――つまり、諦められるのか――
 この問いこそが最も大切だと、僕は考えています。

 たぶん――
 その多くはチームワークの問題なのです――リーダーとフォローワーとの関係性の問題――

 もちろん――
 その新規事業計画の遂行に携わるチームのチームワークであり、リーダーとフォローワーとの関係性です。

 つまり、「新規事業計画は、なぜウマくいかないのか」という問いのどこが間違っているのか――

 ――失敗論で組織論を展開しようとしているところ

 です。