色気は――
それを振りまく人だけのものではなく――
それを受けとめる人のものでもあります。
色気の溢れる外見をした人が――
たとえ、どんなに惜しみなく色気を振りまいたところで――
それを周囲の人たちが、しっかりと感じ、受けとめない限り――
色気の演出は完遂されません。
もとより――
色気の演出には、時刻や場所、状況などを慎重に織りこむことが大切ですが――
真に織りこむべきは――
その場所に居合わせる人たちの心の状態です。
色気をしっかりと受けとめる準備が整っているかどうか――
色気を受けいれ、存分に楽しめる気分でいるかどうか――
色気の演出に長けた人は――
周囲の人たちの気持ちを正しく汲みとれる人でもあります。