春が終わり、夏へ至ろうとする時季には――
毎年、思うのですが――
人生を“四季”に喩えたときに――
例えば――
25歳くらいまでを“春”――
50歳くらいまでを“夏”――
75歳くらいまでを“秋”――
その後の余生を“冬”――
とみなしたときに、
(一度でよいので、“秋”や“冬”を経験してから、“春”や“夏”を経験したいものだ)
と思うのです。
毎年の四季としては――
幾度となく経験していることなのに――
人生の“四季”としては――
決して経験することがない――
この真理は――
人にとって、ある意味、
――壮烈な不条理
といってよいでしょう。