不機嫌でも上機嫌でもない――
そういう心理状態が――
人には案外、大切ではないかと思っています。
人は――
不機嫌のときだけでなく、上機嫌のときにも――
対人トラブルを起こしやすいものです。
不機嫌のときは、無用な喧嘩をふっかけてしまったり――
上機嫌のときは、余計なお世話を焼いてしまったり――
……
……
対人トラブルを確実に予防するには――
不機嫌でも上機嫌でもない心理状態をいかに長く保っていくかが――
鍵でしょう。
こうした心理状態を――
車の運転に喩えると――
……
……
不機嫌のときはブレーキをかけているときに――
上機嫌のときはアクセルをふかしているときに――
それぞれ相当すると考えられます。
どういうことか――
……
……
ブレーキでもアクセルでも――
車には加速度がかかりますよね。
ブレーキをかければ負の加速度が――
アクセルをふかせば正の加速度が――
それぞれ、かかります。
つまり――
人の心は――
不機嫌のときには“負の加速度”が生じていて――
上機嫌のときには“正の加速度”が生じている――
ということです。
車の運転で事故を起こしやすいのは――
車に、正負いずれかの加速度がかかっているときです。
これと同じように――
人が対人トラブルを起こしやすいのは――
心に正負いずれかの加速度がかかっているときである、と――
そういってよいのではないか、と――
僕は思っています。