――破れ鍋に綴じ蓋
という言葉があります。
「破れ鍋」は、「われなべ」と読み――
割れた鍋のことです。
「綴じ蓋」は、「とじぶた」と読み――
繕われた蓋のことです。
「破れ鍋に綴じ蓋」とは、
――割れてしまった鍋にも繕われた蓋が見合うように、どんな者にも、ふさわしい配偶者がいるものだ。
という意味で用いられます。
が――
ちょっと僕は疑問に思うのです。
「綴じ蓋」は、繕われているので――
たぶん蓋としての最低限の役割は果たせますが――
「破れ鍋」は、割れてしまっているので――
たぶん鍋としての最低限の役割も果たせないのではないか、と――
ということは――
「破れ鍋」にも「綴じ蓋」が見合うという主張は、「破れ鍋」はともかく、「綴じ蓋」にとっては、大いに不本意ではないか、と――
……
……
それとも――
「綴じ蓋」も、「破れ鍋」と同様に、最低限の役割を果たせない――
と、みなすべきなのでしょうか。
たしかに、「綴じ蓋」は、少なくとも圧力鍋の蓋としては、最低限の役割を果たせないとは思いますが……。
……
……
実際のところ――
どうなんでしょう?(笑