マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

風刺の精神は大切か

 ――風刺の精神を大切にしたい。

 といわれたら――

(それは、なんか違うよ)
 と思います。

 風刺とは、

 ――社会や人物の在り方を批判的に嘲笑すること

 です。

 しょせんは、“批判”であり、“嘲笑”ですから――
 もっともらしく「風刺の精神を大切にしたい」といっても――
 それは、単に、

 ――嘲笑も厭わずに批判する姿勢を大切にしたい。

 といっているのと同じです。

 もちろん、批判する姿勢は大切ですが――
 それを前面に出すと、ふつうは嫌われますし――

 嘲笑にいたっては――
 たぶん、どんな場合でも、積極的に推奨されることはないでしょう。

 嘲笑は、

 ――するべきこと

 ではなく、

 ――つい、やってしまうこと

 です。

 ……

 ……

 強いていえば――

 風刺の精神の中で、“嘲笑”の中の“笑い”の部分――
 これが、大切なのだと思います。

 同じ“嘲笑”でも、ユーモアのある“笑い”――多くの人たちに共感されうる“笑い”――
 強大な権力を握っているわけでもない誰か個人を集中的に嘲ったりしない“笑い”――

 そういう“笑い”であれば――
 おおいに大切にしたいと、僕も思います。

 が――

 ……

 ……

 批判や嘲りは――

 しないで済むのなら――
 それに越したことはありません。