どんなに頑張ってみても、あらゆる工夫を凝らしてみても、報われない時というのは――
人の世の中、確実に、あります。
そういう時は――
自分の領分をしっかりと守って、いま自分が成すべきと思えることをただ黙々とこなしつつ――
黙って耐えて忍んでいくのがよいでしょう。
あたかも――
大きな木の幹に寄り添い、うずくまって、嵐が過ぎるのを待つように――
……
……
そんな無力感ないし徒労感を抱きしめる覚悟は――
決して生きやすくはない人の世の中で、したたかに生き抜いていく上では――
なかなかに有効であろうと思います。
……
……
そういう覚悟が――
僕は嫌いではありません。
人は――
ときに積極的に――
無力感や徒労感を抱きしめておくほうが、よいのです。