国家元首が軽々しく言葉を発していると――
(何だかな~)
と思ってしまいます。
国家元首といっても、しょせんは一人の人間ですから――
ときには間違ったことをいったり、無意味なことをいったりするわけです。
ですから――
その言葉をきいた人は、
――ああ。国家元首も、結局は一人の人間なんだ。
ということを痛感してしまう――
もちろん――
その痛感は、事実としては、完全に正しいのですが――
それでも――
少なくとも「国家」という約束事の中では――
国家元首は、かなり特別な存在です。
よって――
やっぱり、「国家元首も、結局は一人の人間」という事実を――
人々は、ふだん、あまり強くは意識したくない――
なぜか――
……
……
不安になるからです。
……
……
そのような意味で――
国家元首の言葉には――
重みが期待されるのです。
ただの重みではありません。
圧倒的な重みです。