正常か異常か――
ということを考えるときに――
僕らは――
つい一次元的に考えてしまいがちです。
すなわち、
――ある程度を超えると異常、ある程度に満たないと異常
というように――
この考え方では――
正常か異常かの判断をしなければならない要素について――
それら要素を、例えば、左から右へと一列に並べ、それら要素の一つひとつに順番をつけた上で――
その序列のある一定の範囲内にある要素を正常、範囲外にある要素を異常――
とみなします。
一列に並べて順番をつける――
というところが重要であり――
かつ、簡単には見過ごせないところでもあります。
すなわち――
正常か異常かの判断をしなければならない要素は、常に一列に並べて順番をつけるということが許されるのか――
という問題意識を――
僕らは決して忘れるわけにはいかない――
ということです。
なかには――
平面上に敷きつめるしかない要素もあるでしょう。
あるいは――
空間中に埋めこむしかない要素もあるでしょう。
それら要素が――
平面上に敷きつめる場合には、二次元的に――
空間中に埋めこむ場合には、三次元的に――
それぞれ正常か異常かの判断を、しなければなりません。
例えば――
平面上に敷きつめられた要素について――
ある円の内部を正常とし、外部を異常とする――
というように――
あるいは――
空間中に埋めこまれた要素について――
ある球の内部を正常とし、外部を異常とする――
というように――
二次元的に円を考える場合でも――
三次元的に球を考える場合でも――
正常から異常に外れる際には――
外れる方向が無数に存在します。
一方――
一次元的に、ある序列の範囲を考える場合には――
正常から異常に外れる方向は、基本的には、1つ――左右や上下などを区別するのであれば、2つ――しかありません。
一次元的に考えるか――
あるいは、二次元的ないし三次元的に考えるかで――
正常・異常の判断区分は大きく変わっていきます。