あらゆる考えの人たちに好かれる意見は――
当然ながら、あらゆる人々に受け入れられやすいのですが――
あらゆる考えの人たちに好かれない意見というのも――
ときには、あらゆる人々に受け入れられることがあります。
なぜか――
……
……
消極的な受容を見込めるからです。
例えば、
――この意見だと、ああいう考えの人たちから、こういう考えの人たちまで、あらゆる人々が「できれば賛成したくない」と思うはずだから、自分も、できれば賛成したくはないのだが……、まあ、やむを得ないか。
というように――
……
……
逆に――
あらゆる人々に受け入れられる意見に最もなりにくい意見というのは――
ある特定の考えの人たちだけに好かれる意見です。
――この意見だと、ああいう考えの人たちが、きっと熱烈に賛成するだろうから、自分は絶対に賛成したくない!
というように――
組織の中で――
何か総意を形成しようと思ったら――
皆から好かれる意見ばかりでなく――
皆から好かれない意見に着目してみるのも――
一つの手です。