マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「コロボックル」を知らなかった

 ――コロボックル

 という言葉を――
 ある作家さんの随想でみかけたときに――

 このカタカナ語の意味を――
 僕は知りませんでした。

 ……

 ……

 最初は、
(哺乳類の動物?)
 と思いました。

 体が、ネズミよりは大きくて、カバよりは小さくて――
 短い体毛に覆われている小太りの四本足動物を想像しました。

 ……

 ……

 実際には、「コロボックル」とは、アイヌの伝承に登場する小人種族のことです。

 アイヌ語で、

 ――フキの葉の下の人

 という意味で、「コロボックル」ではなく、


 ということも、あるのだそうです。

 語義の通り、フキの葉でふいた屋根の下に住み――
 ふだんは姿をみせず、動きは素早くて、狩猟に長けていたといいます。

 アイヌが北海道地方で暮らすようになる前から、彼の地に住み――
 当初は、アイヌと簡単な交易をするなど、友好的に暮らしていましたが――

 あるとき――
 アイヌの若者が、コロボックルの姿を一目みようと、強引に屋内に引き入れたところ――
 そのことがコロボックルの逆鱗に触れ――

 以後――
 コロボックルは、種族を挙げて、北の海の彼方へと去っていったといいます。

 ……

 ……

 その作家さんが――
 なぜ特段の説明を加えることなく「コロボックル」を用いたのか――

 ちょっと気になっています。

 ……

 ……

 ――「コロボックル」くらい、読者は知っているだろう。

 ということであったのか――

 それとも――
 あえて説明をしないことで、どんな存在かを読者に想像してほしかったからなのか――

 ……

 ……

 先に述べたように――

 僕は、「コロボックル」を知らなかったので――
 どんな存在かを存分に想像したわけですが――(笑

 ……

 ……

 ――コロボックル

 って――
 けっこう有名なんですかね?

 ……

 ……

 ちなみに――
 この「コロボックル」が「コロポックル」ともいわれる理由は――

 アイヌ語では「b」と「p」との発音が区別されないことに起因します。

 このことも――
 初耳でした。