同じ戦争であっても――
10~100年前の戦争は、
――痛ましい教訓の種
であり――
300~3000年前の戦争は、
――面白い娯楽の種
として受け止められている――
という現実は――
歴史の不合理の一例といえましょう。
一般に――
人の寿命に最長でも100年くらいの限りがある以上――
経年による事象の風化は――
同質の事象を抜本的に変えてしまいます。
そのことも併せて理解を深めていくのが――
歴史なのです。
とはいえ――
こうした歴史の不合理に無頓着でいるのは――
好ましいことではありません。
常に注意は払う――
が――
神経質にはならない――
そのバランスが大切です。
具体的には――
例えば――
30年前の戦争で数万が亡くなっていて――
1000年前の戦争でも数万人が亡くなっているのであれば――
両方で「数万人が亡くなっている」という実態は無視しないのがよくて――
片方は「30年前」で、もう片方は「1000年前」という差異には意義を見出す――
さらにいえば――
戦争で、数万人の一人ひとりが、それぞれ取り返しのつかない経緯で殺されたことに軽重はなく――
また――
30年前に生きていた人は多数で、1000年前に生きていた人は皆無であるという事実は動かない――
そのどちらも失念しないように気を付ける――
そういうことです。